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板倉町

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ラムサール条約10周年シンポジウムでの発言内容要旨と治水事業に対する想い(令和4年7月3日)

更新日:2022年12月27日

平成24年7月3日、ルーマニアのブカレストにて開催されたラムサール条約締約国会議において、それまでの長きにわたった関係者の活動努力のたまものにより、渡良瀬遊水地がラムサール条約登録湿地として認定されました。月日が経つのは早いもので、その日からちょうど10年を経過した今日、多くの参加支援団体や後援団体の協力をいただきながら、その目的に向かって進められてきたこの10年の総括と反省、今後10年の指針となる目標を掲げ、豊かな自然環境を守り将来へつないでいくことを目指し、このシンポジウムが開催されました。

共催自治体である遊水地周辺4市2町の首長参加のもと、当計画に最初から参画していただいた、作新学院女子短期大学教授でありNPO法人わたらせ未来基金理事長も務めている青木章彦氏の活動報告を交え、高層湿原「戦場ヶ原」を保有する日光市長、環境省や国交省等その他来賓の皆さまを迎えての式典でありました。

青木章彦氏の活動報告後、4市2町の首長がそれぞれ5分間という時間制限の中で、この10年間におけるそれぞれの取り組みや課題に対しての活動報告を行いました。それぞれ特性を生かしながらラムサール特有の3つの大きな目標に向かう努力の実態や課題の発表は、会場参加者だけでなく、同じ立場の自治体同志として我が活動を再点検する上でも貴重な場となりました。主催者である小山市長に感謝いたします。

わずか5分間という限られた時間の中での我が町の発表要旨としては「群馬の一町であり、占有率4.3%と極小ではありますが、面積130ヘクタールのエリアは最大限有効利用させていただいております。渡良瀬遊水地案内所を兼ねたわたらせ自然館、遊水地内での野球グラウンド2面、サッカーグラウンド1面、当町エリアでのトライアスロン、サイクリング、マラソン、ウォーキング、ウインドサーフィン、自然学習の場、観光ガイドの育成等、幅広く利活用されており、クリーン作戦への参加等も定着し、賢い利用の大きな趣旨に沿った活動や利用が展開されています」と報告させていただきました。

しかし、皮肉なことに、ここ10年の異常気象や大規模な自然災害の多発化も大きな社会問題となっており、最近の周辺自治体における水害の発生等を目の当たりにして、遊水地の「賢明な利用」は、現在のままで十分だろうかと考えあぐねてしまいます。本来の目的に立ち返って、治水容量の更なる増加が可能であるなら、当地域住民60万人余りの安全安心を優先に考えるのが賢明な利用なのではないだろうか。そのこと(人の安全安心)への対応を十分考慮した上での自然環境保持であり、トキやコウノトリの復活ではないか。頻発する異常気象による大災害、令和元年台風19号により渡良瀬川沿川大都市(栃木市、佐野市、足利市、太田市)が受けた大水害の再発を防ぐためにも、もう一つ谷中湖を造るくらいの遊水地の賢明な利用法を考えることが必要ではないか。令和元年台風19号の襲来時、多くの犠牲の上に成り立った八ッ場ダムの恩恵を受けたうえで、谷中湖の洪水調整効果にも頼らざるを得なかった大水害であったことを再認識し、栃木県及び周辺4市2町が合意し、遊水地の中にもう一つのダム(第二谷中湖)を他力本願でなく自力の判断で造るくらいの大胆な発想が必要ではないか。もともと、トキやコウノトリを生活させることが遊水地の目的ではなかったはずであるのに、異常気象、脱炭素化、温暖化が叫ばれる中で千年に一度の大水害を予測する国交省の施策を考えるとき、今まで以上の治水機能が求められているとしたら、その努力をした後に全体の環境、自然保護を考えるべきであると思います。トキ、コウノトリが舞う自然環境豊かな遊水地であっても、周辺自治体住民が時折の大洪水により、劣悪な生活環境の中で生活するような図式となってしまっては本末転倒ではないか。まずは「周辺住民の安全安心と自然動植物との調和のとれた遊水地」であって欲しい。令和元年10月の台風19号襲来時、あれだけの大洪水に遭ったにも関わらず旧態依然の考えが変わらないとしたら、この地域の為政者としていかがなものか。自問自答するものである。遊水地の治水容量を上げるための方策を模索すべきである。可能であれば、当初計画の第二谷中湖を造るべき、もしくは、それに匹敵する治水容量を確保すべきである。このための国に対する陳情団体(渡良瀬遊水地保全・利活用協議会と同じメンバー)が結成されすでに3回目の陳情の直前です。4市2町の首長と国との日程調整はたやすくないが、今後も当地域の治水事業に対する要望を続けていきたい。

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