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板倉町

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人口減少、高齢化は本当に問題なのか(令和4年8月25日)

更新日:2022年9月15日

今、当町のいちばんの問題は人口減少、そして高齢化といえるのかも知れない。しかし、このことは我が町だけでなく、ほぼ全ての自治体において人口が右肩下がりであるほか、4年前の国立社会保障・人口問題研究所の予測でも、我が町の人口は9000人台まで減少すると示されており、慌てるべき、また一喜一憂すべき問題でもないことは明白である。

「人口減少は良いことか、それとも悪いことか」と考えたとき、どちらにも判断できるという学者もいる。仮に「悪いこと」として考えた場合、人口や町の財政規模および生産の縮小、高齢化によるマンパワーの減少により、消費量と生産量の両方が減少するので、まさに活気がなくなる典型的な右肩下がりの状況となる。結果として、マイナス社会になるというものである。そうならないためには、人口が年率2%前後ずつ永久に伸び続けることが右肩上がりの象徴として良くいわれる。しかし、限りある地球上の全てを資源と考えた場合、消費あるいは生産という形で資源を費やしていくことは、地球資源の枯渇に向かって進み、その代替としての排出物は増え続けるということである。例を挙げればCO2の増加、砂漠化、異常気象の増加といえるだろう。

他方「大問題はむしろ人口増加であり、人口減少こそ将来の救世主となる」ということも分からなくはない論理である。例えば「限りある社会の中での分配」という面で見れば、数学的に「人口が多ければ分配は少なくなり、人口が少なければ分配は多くなる」ということができる。1万円を10人で分けるのと20人で分けるのとでは、どちらの取り分が多いかは明らかである。従って、経済の拡大増加を追求している場合、見かけは活性化し、日本人のイメージともいわれる「働くことを美徳」とする考えが定着している面から見ると、明るさも含め、全ての面での拡大により幸福感が感じられるように見える。しかし、分配という面から見ると、人口増加はさらにマイナス方向へと進み、消費量も全体的に拡大していくので、1人当たりの残存資源量は減少し続ける。極論をいうと、人間が吸う酸素の1人当たりの残量も減り続けるということである。

人口減少は、分配論から見る限りでは喜ばしいといえる。人口が減れば減るほど分け前、残存分配見込量も多くなるという考え方も間違いでない。「人口π(パイ/母比率)の全体が小さくなれば、限られた資源を永く利用することもできるし、忙しくザワザワと寝ずに日々働いても、結局のところ限りある地球資源を早く食い尽くすための競争をしているようなものだ」と論じている学者もいる。「幸の手段はどちらを向いて進むのか、永続的な人口増加は可能なのか」など、原理原則論を考えてみるのも面白い気がする。あなたはどちら派か?

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