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板倉町

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第1回議会定例会開会のあいさつ要旨(令和5年3月7日)

更新日:2023年3月22日

おはようございます。暖かい日には上着を脱ぎたくなるような季節になりました。第8波で心配された新型コロナウイルスの感染者数も減少傾向にあり、沈静化しつつある中、政策の変化によって、正確な指標の発表もなくなったことから「落ち着き感」が出てきています。3月4日には群馬県の警戒レベルが1へ引き下げられ、実体の把握も不十分な中、医学的な安全性分析もあまり報道されなくなり、政府の思惑も、早めの解禁(平常化)に向けてスケジュールの前倒しに全力投球のように見受けられます。卒業、入学、官・民の年度末、新年度における人事異動や引っ越し、歓送迎会など人流が最も多くなる時期を迎えるほか、今年は4月の統一地方選挙、5月の大型連休へと続いていきます。この先2~3か月間の経済活動と医学的対応がまさに日本のコロナ禍からの脱却だけでなく、円安脱却、景気回復、経済再生の絶好機とにらんでの政府にとって大きな転換期となり、今後の日本の経済回復にとって正念場になるといわれています。


一方、ウクライナ侵攻の行方は相変わらず不透明であり、決着にはあと1年かかるとか、泥沼化するだろうとかさまざまな推測が流れており、国連加盟国の9割方のロシアへの非難と停戦を求める声は、残念ながらプーチン大統領とその他一部の国には届いていないもどかしさの中での模索が続いているようであり、経済制裁もその効果は狙った程ではないようです。むしろ、両刃の剣といわれた経済制裁は、想像以上に支援国側へ痛みを与えている反面、その効果は限定的との評が多いようです。武力行使反対、侵略による国土の強奪不承認、民主主義尊重等で一致している国々の中にも、内部的な苦しさに異論が出かねない状況が報道されているのも事実であり、ウクライナ支援国間でも総論賛成、各論では微妙な違いを感じさせる状況が見え始めていることから、強力に一致した、一枚岩でウクライナへの支援が続けていけるのかという点でもほころびが心配されると専門家の声が報道されています。先般行われたプーチン大統領の年次教書演説(所信表明)は、更なる軍備増強、兵器開発予算確保、負けない戦い、ウクライナ国土の奪取、核開発、核使用も含め、ロシア国民に対する戦争継続宣言の発表であったと報道され、その翌日にはバイデン大統領がポーランドにおいて、強気な内容は孤立状況を表す狂気じみた発言と強く批判しました。武力で領土や人命を奪う一方的侵略者ロシアと自由民主主義陣営との絶対譲れない戦い、負けられない戦いであり、勝たねばならない戦いとして、この先のウクライナに対する支援の内容に注目が集まるとともに核使用をちらつかせるプーチン大統領に対してどのような戦略で臨むのか、世界中が注目するところであります。

1年が経過したロシアによるウクライナ侵攻は、我々から見れば一方的武力行使による他国領土奪取であり、自らの欲望を満たすための行為であります。ウクライナ側から見れば紛れもない独裁者であり、何万人もの犠牲者を出している戦争犯罪者となっています。世界各国一丸となってプーチン大統領に何としても理解させなければ、世界中を巻き込んだ終わりなき戦争になりかねない状況ともいえます。ウクライナ国民は、まさに報道される悲惨な壊滅状態で衣食住もままならない中、国外脱出も含めた先の見えない流浪の生活を強いられています。また、その他の非当事者も世界的なエネルギー不足、食糧不足、原材料不足で貿易体制の一部崩壊などによる大きな影響を受け、世界平和の必要性、それを前提とした健全な貿易の必要性、また国の枠を越えた通貨の安定性、核の軍事利用等、人類共通の「核を含む解決すべき課題の存在」を大きく認識し、国連を通して是が非でも解決・合意を探り続ける以外にないわけであります。現状は、世界中が敷き詰められた地雷の上でいつ爆発し、吹き飛ぶのか分からない恐怖の中で生活しているようなもの、ウクライナの惨状はいつ我が身に起きても不思議でない全ての国の問題だと再認識し、今後の対応について議論を徹底的にしてほしいと世界政治に願うばかりです。

さて、日本の現状、約10年近くのアベノミクス政策の効果として約束された成長率2%も実現されず、その間大企業こそ内部留保の増加をみましたが賃上げには至らずに今日まで抑えられ、日本の経済ランキングは大きく後退しています。そのような中、コロナ禍によって疲弊した経済の立て直し、ウクライナ侵攻に端を発したエネルギーや食品原材料等の価格高騰、通貨不安定、円安による輸入品高騰を背景とした国内業種間較差、企業の内部保留は増えても賃金が上がらないデフレ状態等を踏まえた政府による民間企業への賃上げ要請、日銀総裁の交代による金融政策転換への期待感、新型コロナウイルスの2類から5類への移行を中心とした医療、経済政策を主とする大転換インバウンド対応、史上最悪と首相自らの発言である80万人を割った出生率の上昇を目指す異次元の少子化対策、女性の労働条件、先進国中最下位の女性人権問題等、今後の日本を占う各指標においても、先進国中では最下位に近い憂慮すべき位置にあるといわれる中、女性の地位確保、出産、育児と労働条件整備、働き方改革、同一労働同一賃金、出産子育てに合わせた安全安心の労働環境充実施策等、新しい日本の目指す経済成長の先には解決すべき問題が山積している状況であり、国会でも論戦が始まっています。突然の悲劇による安倍氏の急逝は国内政局に大きな不安を与えましたが、岸田首相の不安定ながらの国政運営も統一教会問題、閣僚辞任の連鎖、優柔不断な答弁、朝令暮改の決断等、内閣支持率も危険区域まで低下しながらも何とか持ち堪えている状況であり、そのような中での国葬、防衛予算、原子力発電所の耐用年数の延長や台湾有事の際の日本の立ち位置の法解釈の変更等々、閣議決定中心の立法手法に対して不協和音が生じ、国会議論軽視の声は大きなものがあった中でも、「鈍感に強行する中で一定の成果を上げている」との評価もあり、「機(状況)に助けられ、大事な法案の論戦無き立法が進む」とのうわさも流れつつあり、最近は落ち着きを取り戻している感の政権運営といえるかも知れません。

そのような国内外政治状況の中で、令和5年国予算の概要についてみると、総額で114兆3,812億円、令和4年度(前年度)と比較して約6兆8,000億円の増となり、11年連続で最大額を更新しています。そのうち、税収は69兆4,400億円を見込み、これは前年度比4兆2,000億円の増加となっています。新規国債発行額は、35兆6,230億円、約1兆3,000億円の減とされました。税収増により国債発行額が減少している状況であり、公債依存度は前年度比3.2ポイント減の31.1%となっています。また、国と地方の長期債務残高は、令和5年度末には1,279兆円になると見込まれています。地方の残高は平成25年度以降減少(187兆円→182兆円、5兆円減少)しているものの、国の残高が継続して増加(1,068兆円→1,097兆円、29兆円増加)している状況です。予算のポイントとしては、安全保障・外交、デジタル田園都市構想、子ども政策やグリーントランスフォーメーションの推進等が挙げられています。なかでも、デジタル田園都市構想や子ども政策については、地方自治体の施策にも大きな影響を及ぼすものと思われます。地方交付税については、自治体交付金額(出口ベース)で18兆4,000億円、前年度比プラス0.3兆円で1.7%の増、その反動で臨時財政対策費はマイナス0.8兆円、44.4%減の1兆円と見込まれています。

次に、群馬県予算の概要についてみると、総額で8,197億円、前年度比0.1%、10億円の増となっており、県税収入は1%、25億円増の2,605億円、県債は17.6%、104億円減の486億円となっています。知事により「ポストコロナ新時代創生予算」と銘打たれた予算は、重点施策として「Well-being(健康、幸福などの満足感)を高める」「未来への投資」「財政の健全化の確保」を挙げ、国と同様に過去最大規模となっています。具体的には、福祉や医療の充実、デジタルグリーンイノベーションの推進などが挙げられています。

改めて、コロナ禍の過去3年を振り返ってみると、自治体がこれ程大きな影響を受けようとは国民も思わなかったと思います。挙げるとキリがありませんが、全ての人の集まりの制限が全ての分野で自粛のかたちで行われたのは経験のとおりでしたし、個人的な親子や兄弟の行き来にまで影響を受けたり、今現在でも葬儀や入院、お見舞いでの面会にまで影響が残っています。人と人との交流部分も含め、これほどの影響は想像をはるかに超えたコロナの災禍でした。それに加えてマスクの定着も想像以上でした。私は個室が与えられていましたので、一般のかたがたよりもあまり必要性は感じなかったということで、普通のかたの半分くらいの機会しかマスクをしていなかったと思います。それでも嫌で、自分の部屋や車へ入るなり、すぐ取ってしまった3年間でしたから、むしろマスク着用に慣れすぎて取れなくなってしまったかたがたの心理は理解できないかもしれません。しかし、どう考えてもマスク着用が心臓に与える負荷、顔全体の表情を読む力の後退等を考えると、決して良いとは思えない面を強く感じていますが、多くの国民のマスク依存の払拭には時間がかかるのではないかと思っています。小さい子どもたちも含め、自分の判断で着脱が1日も早くできるよう、指導が必要になってくると思います。

このようなコロナ対応の基本に関わる医学的、政策的変化の推移が計画どおり、予想どおり、推論どおりに行くかどうか、突然、強毒性で感染力の強いコロナが流行したらどうなるかなどを懸念し、地方自治体として国、県の政策見通しを重視した予算編成といたしております。

町の令和5年度予算案概要についてですが、一般会計と特別会計の合計は、95億8,535万7千円となり、令和4年度と比べて3.4% 約3億4,000万円の減となりました。一般会計、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計が令和4年度当初予算と比べ減少し、後期高齢者医療特別会計、下水道事業特別会計が増加しています。一般会計については、令和4年度から4.1%、2億5,200万円の減の58億3,000万円といたしました。歳入については、町税は、法人町民税が堅調なことから約4,200万円、固定資産税が約4,000万円増加するなど、合計で約8,700万円の増となり、過去最大となりました。令和4年度までは新型コロナウイルス感染症の影響から経済が縮小傾向になり、税収が減少するものと見込んでおりましたが、令和5年度は、国の税収見込みなどを参考にした結果、全体的に増加と見込んでいます。交付税や各種交付金については、国の地方財政計画の数値と過去の歳入額を基に算出しており、増加が多い状況となっています。分担金や国庫、県支出金など、特定の事業に対する歳入については、事業費の増減の影響を受けることになりますので、歳出の減少に伴い減少となったものが多くなっています。町債については、事業費の減少により減っているほか、臨時財政対策債も、国の見込みに合わせ減少させています。歳出については、災害時避難場所の確保と周辺整備、既存施設の修繕等維持管理、町の魅力を高める観光振興や文化財の整備などを中心に、国や県の施策である新型コロナワクチン関連や医療費の無料化の拡大など、周辺自治体と住民サービスの格差が生じないよう、事業の効果を検討、精査し予算化いたしました。大規模な避難場所の整備の終了により普通建設費は大きく減少したものの、原油を始めとする物価高騰の影響により、光熱水費を含む物件費は増加し、施設の維持補修費も増加しています。人口減少、少子化の影響などにより扶助費は減少、また人件費、公債費も減少しています。町債の現在高の見込みについては、返済額が借入額を大きく上回ることから、約2億9,000万円減少する見込みとなっています。基金の積立金残高については、当初予算では繰り入れがあることから減少することになりますが、令和4年度の決算剰余金による積立も生じることから、極端な減少にはならないものと見込んでいます。

以上、現時点での世界を含む国、県、我が町に対する私の現状認識に基づき、現年度事業完成後の精査および新年度の必要施策の洗い出し、更には、それに続く次年度以降の政策展望も鑑みながら熟慮したうえでの予算案といたしました。特に、新年度について、自治体経営として軽視できないエネルギー価格の驚異的高騰、民間の賃金上昇機運、それに並行する公務員人件費の上昇、その他すべての物価高による公的事業経費の増大の不安要素を考慮し、慎重予算といたしたところであります。とは言え、必要なところは必要なだけを原則とした当町予算編成の精神をしっかり踏襲したとも思っています。本日7日から17日までの会期中、諮問2件、承認1件、議案18件を審議いただく第1回議会定例会であり、来る4月の統一地方選による改選時期を目前に控えた現任期4年最後の議会となりますので、心置きない十分なご審議の上、提出全議案を可決いただきますようお願いし、簡単ですが所信表明、開会のご挨拶といたします。

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