令和元年9月10日 第3回議会定例会開会の挨拶
更新日:2021年6月2日
おはようございます。
本日は、令和元年第3回板倉町議会定例会を招集いたしましたところ、公私共ご多忙の中全議員にご出席を賜りありがとうございます。
今年の夏、前半は1か月弱、日照をほとんど見ずの日が続き、稲をはじめ野菜等にも大きな影響が心配されましたが、その後今日までの回復で影響のない実りの秋が迎えられそうであります。
また、台風も先週までは関東直撃型が少なく、西南地方への上陸が多かったことにより幸い被害もない状況が続いていましたが、日曜から月曜にかけては、急に北上した15号が関東を直撃しました。町では8日午後5時から役場3階に自主避難所を開設しましたが、幸いなことに利用者はなく、また町内において大きな被害は出ていないようです。今年もいよいよ本来の台風シーズンが到来し、毎年同様気の抜けない状況が続くと思います。
さて、天皇の退位と皇太子の天皇即位により元号も5月1日から令和に変わりはや3か月、避暑滞在で那須から軽井沢、そして草津の音楽祭参加のニュースに新天皇に対しての親しみが自然の形となりつつあることはおめでたいことでありますが、一方日本の近隣国間では緊張状態が長期間続いており、憂慮事案が起きるたびに外交の難しさを感じるところであります。新天皇即位の最初の来賓が米トランプ大統領であり、まさに日米密月を感じさせ、日朝、日韓、日中外交の最も後見人的位置付けにあるトランプの発言もこの間注目をされてきていますが、なかなか米国自体の利益が最優先にある訳ですので、関係修復に順調な進み具合にならないのも当然の話であります。日朝間の拉致問題解決はほど遠く、外交の正常化などは一歩も前進していないように見えますし、「他力本願は駄目、直談判せよ」との拉致被害者家族会の声も年齢的にギリギリの所まで来ている今日理解できますし、首相も直接会話を求め始めているのも目に見えつつあります。日韓関係は、竹島、レーダー照射、慰安婦、徴用工、そして、ホワイト国反発等各問題の対立はむしろ激化悪化するのみであり、残念ではありますが、それでも文政権、安倍政権、両政権の支持率は弱虫外交ではないとの評により、高い状態が続いているようです。しかし、「Gソミア」の破棄に至っては理解不能であるとして、対韓国にアメリカも大きな失望感を表明しているのも韓国の対日対応に懸念を示していることの表れであると言われています。一国の大統領が過去の問題に対し「一度合意したからといって、それは合意ではない」との談話の発表は、国家間の信頼を損なうレベルに値する、大きな信じられない発言であります。
日中関係においては、日朝、日韓よりは好意的に動いてはいるものの、香港の自由を争う学生運動の激化は、自由主義国として米中・日中関係にどう影響が出てくるか、単に経済戦争、報復関税の課税競争だけでは済まされない状況になっているのは承知のとおりであります。
同時にペルシャ湾イラン問題、イギリスの条件なしEU離脱問題等、数えれば不安材料は増大していると言えます。何より信頼で強く結ばれていた日米間の安保問題、トランプ就任後は経済貿易問題を前に出して、応分の均衡(負担)を求めての交渉は予想以上のものを警戒しなければなりませんが、貿易関税については10月になって開けてみれば譲歩結果が農産物に大きく出るとの観測もあります。
そんな中、参院選が行われましたが、終わってみれば野党の健闘、自民の勝利と言われました。消費税、憲法論議、選挙制度、年金問題、国会の在り方、官僚・内閣失言問題、少子高齢化等論点は限りなくあった訳でありますが、選挙の前には争点隠し、選挙が終わってから問題提起では何のための選挙か分からないとのマスコミの評も当たっているかもしれません。当群馬県では知事選が12年振りで現職の引退を受けて行われました。新人保革一騎打ちと言われましたが、信任投票に近いのが現実で、空前の得票で保守系山本一太候補の当選が決まりました。山本新知事のこれまでの国においての参議院議員24年間、大臣、党の要職、その他全ての経験を県の発展に生かすとの公約が大きな期待となって受け入れられたのであろうと推測できる訳であり、その初心を忘れることなく群馬県政を引っ張っていただき、文字通り国内外へ大きく発信していただきたいとともに地元の課題も解決していただきたいと思います。どのように変わるか大きく期待したいところでございます。
さて、我が板倉町の30年度の実施事業ですが、まずは合併協休止がありました。双方の財政と福祉サービスに対する考え方の溝が埋まらず、お互い考える期間を置こうとの理由でした。そして、悲願の大型事業でありました役場新庁舎建設が完成し、移転、記念式典も完了した他、広域防災情報伝達システムの整備も防災ラジオ全世帯無償貸与という形で実現し、民生費では福祉センター空調設備の改修、衛生費では胃がん検診医療機関での内視鏡検査拡充、農林水産業費では農水路改修、揚水ポンプ改修、簡易ほ場整備などを実施、消防費では洪水タワー、ミニ防災ステーションの整備の他、防災士の育成の登録費用助成等を実施、教育費では西小廊下雨漏り、板中のベランダ廊下改修、高鳥天満宮彫刻修復等への助成などを行い、土木費では道路、橋梁の長寿命化工事や、町単独道路、生活道路整備事業の実施等各般にわたって実施いたしました。
また、一般会計歳入歳出決算でみますと、予算現額に対する歳入総額は103.6%の70億3656万円、歳出総額は94.8%の64億4068万円、予算執行率は95%でありました。歳入最上位の町税は3年連続増加し、最も多かった前年度の20億9296万3千円を更に3843万5千円上回り、最も税収が多くなりました。
しかし、歳出面では庁舎建設、広域防災無線整備完了により積立金の減少と町債残高の増加が進んでおり、公債費も増加傾向にある中で、旧庁舎や八間樋橋の解体撤去や、次年度の小学校統合後の閉校舎利活用、資源化センターの利活用等、多大な資金需要を要する事業展開も予測されることから、作成中の第2次中期計画に添いながら、また、少子高齢化の中でのニュータウン充実事業へのサポートも含め、新たな活性化政策の導入等慎重に可能性を考えていかなければなりません。31年度も既に半年を経過し、来月には消費税増税が導入されますが、そのことがどのように経済に影響を与えるのか不測の部分もありますので予算の執行も慎重、丁寧に進めていきたいと思います。人口減少も残念ながら確実に予想どおり進んでいるようですので、高齢化の中での町の活性化について、アンケートでの町民の皆さんの意見等も把握しながら、議員さんの意見も積極的に頂戴できればと思います。
今議会は9月10日から9月20日までの8日間であります。2日目の一般質問も含め活発な議会として、各議員さんにはご活躍くださいますようお願い申し上げまして、開会にあたりましてのご挨拶といたします。8日間よろしくお願いいたします。