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板倉町

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原水爆禁止国民平和大行進出発式のあいさつ要旨(令和4年7月18日)

更新日:2022年12月27日

筆舌に尽くし難い大きな犠牲を強いられた唯一の被爆国であり、世界のどの国よりも平和の大切さを痛感している日本国民の一人として、核のない平和の実現を目指している運動の主旨に賛同し、世界平和を祈りながら、あいさつをさせていただいています。

毎年、この出発式に参加するたび「純粋に平和の大切さを思う気持ち」と「現実として核の抑止力の中にある日本、アメリカの核抑止力に依存した平和維持の享受、世界の一部に限られた国々が保有する膨大な核を削減するための具体的手段、偶発的核戦争への不安、単なる話し合いによる平和外交の空しさ、電力需要が増加している中での原発悪玉論、再生可能エネルギーによる代替発電の難しさ、火力発電における環境対策の限界、放射性物質汚染廃棄物の最終処分問題などを思い悩む気持ち」が葛藤してしまいます。核問題は、単に軍事的利用の是非だけでなく、平和的利用の面からも地球(世界)全体の存亡に関わる大きな問題でもあることから、単純に「平和のためになる、ならない」という論点だけで解決することができないという矛盾を感じながらの複雑な心境であります。

しかし、今年に入り、初めて核使用を明言してウクライナ侵攻を開始したロシアのプーチン大統領に対し、これまでの核抑止論による紛争解決手段は全く無力であったことが西側連合陣営の対応を通して明らかとなり、先の見えない紛争状態が半年経った今もなお続いています。それによるウクライナの民間犠牲者が膨大な数に上っており、なんともやり切れない思いであります。そして、このことが大きな契機となり、力による外交を否定しない隣国のロシアや北朝鮮、中国という我が国にとっての問題国がますます活発化することは、日本の安全保障の観点から見ると、まさに他人事ではありません。今こそ自国の安全保障を真剣に考える時ではないでしょうか。

防衛費増強や憲法改正、核保有等をタブーとし、平和ボケといわれ、世界でもまれなスタンスを保ってきたスウェーデン、フィンランド、スイス等でさえ軒並み北大西洋条約機構(NATO)の傘の下に入ることを決定している状況にあってもなお、日本だけがこの特異な地理的緊張感の中で外交や話し合いだけによって平和を主張し、国の存続や国民の安全安心を守ることができるのかどうか、そのことについて真剣に議論し具体化を進めるべき時期に差し掛かっていると思います。

原発を含め、核に関する日本の安全保障については国民の間で多くの意見があります。「万が一、近隣諸国が暴挙に出た場合にはどう対応するのか」日本がウクライナと同じ状況にはならないという保障などはありません。日米安全保障体制の強化に加え、世論の動向としても防衛費増強に賛成する意見が増加しています。今の状況を踏まえ、憲法改正や原発再稼働についても賛成する意見は増加しています。理想に向かうことの難しさと現実的対応の問題点、単純にそのいずれか一方の勝ちとはできないまでも、国の立ち位置をより明確にまとめるための世論喚起が必要になることはやむを得ないことであり、世界の潮流でもあろうことは明白ではないでしょうか。国民の間で積極的に議論を深め、否が応でも方向性と覚悟を決める時期に来ています。

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