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板倉町

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第4回議会定例会開会のあいさつ要旨(令和4年12月6日)

更新日:2022年12月14日

令和4年12月定例会を招集させていただいたところ、議員の皆さまには、ご出席いただき誠にありがとうございます。本日から4日間の議会ですが、よろしくお願いいたします。

さて、最近の世界情勢は、ロシアの侵略によるウクライナ戦争、特別軍事作戦の名目で短期終結を目指した思惑がはずれ、10か月を経過した今日もウクライナ側の反撃と、それを支援する西側陣営やNATOと対立する形で続いています。そして、エネルギーや原材料資源、小麦等の食料も戦略手段として使われているため急激な物価高を全世界にもたらしていることは、人々の生命や冬に向かう人道上の生活確保の見地からすれば、直接関係のない世界の人民に対しても大きな影響を与えている犯罪行為であるとの強い声明が国連からロシアに対して発せられています。

この先、両者の戦いいかんによっては、来春までに勝敗が決まるとの専門家の見解もありますが、厳寒期の中で電力供給の半分を失っているウクライナでは、数百万人が命の危険にさらされており「核使用以上の戦争犯罪」であるというウクライナのゼレンスキー大統領の声明も理解が得られているところであります。残虐行為を正当化する戦争犯罪に強く抗議すべきは当然であります。ウクライナに対して、日本は強い支持と支援をすべきであり「力」による侵略に対する負けられない戦いとして、首相はもっと国民に理解を求めるべきと思います。このことは、日本の置かれた隣国環境から身を守る手段でもあり、この先にウクライナが敗北するような事があれば、それはすなわち中国・北朝鮮・ロシアの力の外交に対する日本の屈服を意味するものだからです。

そして、国内の政治的な問題として安倍氏の国葬問題、併せて統一教会問題、3閣僚の不誠実な資質の問題による更迭騒動、それでもなお続く2人から3人の更迭追求など、岸田首相の期待外れによる内閣支持率の低下等がマスコミ論調の主流テーマとなっております。政治不信の払拭どころか、信頼自体が大きく揺らいで危険水域に近づいている状況は、同じ政治を担う立場にある我々にとっても困惑する問題であります。「信なくば立たず」にならないよう気を引き締め、諸問題に応える姿勢を国民にしっかり表明し実行していただかなければ、オリンピックを巡る汚職問題も含め、政治に対する信頼も国民から失われ、地に落ちてしまうのではないでしょうか。 安倍政権以来、与党が安定多数を獲得してからの政治運営では民主主義を危うくするような政治手法が多く用いられ、独断、密室、議論なしの決定が目立ち、いささか心配を感じてしまうのは私だけでしょうか。

統一教会問題を巡って、すでに明るみに出ているマインドコントロールによる高額献金だけでなく、人権にまで影響が及ぶ養子縁組や親の決めた結婚問題など、子や孫にまで関わる問題もあると聞き、真実の根の深さを感じます。また、日本はおろか世界の人類の父母が韓国の教祖であるなどと教義にうたわれたこのカルト宗教は、日本の政権与党に所属する中核議員までもが交流関係にあり、PRに使われるなど、親愛なる父母と敬っている姿は売国政権化している様に見えるわけであり、議論以前の「開いた口がふさがらない」状況であります。与野党が党利党略を超えてしっかりと対応してもらいたいものです。

次に、新型コロナウイルス感染症が3年を経過する中で、世界の多数の国々ではゼロコロナ政策からウィズコロナ政策へと転換する動きが主流となりつつあり「経済の復活」と「人間的行動の尊重」に向けてワクチン接種による免疫獲得、重症化の回避、そして基本的な感染防止対策で乗り切ろうとしています。中国を含む一部の国々がゼロコロナ政策を進めている中で、長期にわたる厳しい警戒措置と強い外出禁止等の人権を無視した接触禁止措置に対して、共産圏であっても住民の不満が爆発状況にあるとのニュースも流れています。日本においてもワクチン接種回数や飲み薬の開発等、医学的対応に不透明感があり、不信や不安、不満が出始める時期に差し掛かっていると言わざるを得ません。併せて、経済回復のための景気刺激策である各給付事業も含め、ばらまき型コロナ対策の先行展望と出口対策、異次元の財政政策の不透明感から現状に対する批判・疑問論も出始めており、人道的、政策的、医学的、財政的という四方からのコロナ対応策に我慢の限度もそろそろかと思われるところまで来ている感の中で、出口対策に向かって国民の関心も更に強まっていくのではないかと思います。第8波の行方とその後の新しい展開に期待し、適切な基本防止対策を気遣いながら、コロナ前の状況を取り戻せるよう経済・社会の活性化を目指し、医学的見地と照らし合わせながら最大限努めてまいりたいと思っています。

また、円安がじわじわと続き、ウクライナ戦争によるエネルギー、食料、原材料資源の供給不足も加わり、今年後半から物価上昇が続いています。金融筋の見方でも、ウクライナ戦争の決着が見られるであろう来夏頃まで物価高騰は続くうえに、円ドル格差が落ち着くまで2年から3年はかかるのではないか、物価上昇は一定の時期までにしてもその気運は長期にわたるのではないかなどとさまざまであります。日銀として、どのように世界情勢を見ながら長期間にわたって続く金融緩和策から脱却していくのか、賃金と物価上昇の較差をどう埋めていくのか、当面は内閣のかじ取りと黒田日銀総裁退任後にこれまでの路線がどう変化していくのかを注視していきたいと思います。ここに来ての物価高騰、30年以上ほとんど上がっていない国民の賃金、世界2位、3位から現在の30位前後にまで後退した経済状況下において、更に格差が広がり、沈み続ける危機感に対して日本の政治がどう責任を果たしていくのか、この30年を省み、党政権の本質をしっかり見極めていくべきであると思います。

今年の災害シーズンは、当地域への台風直撃も線状降水帯が発生することもなく、無難に通過できたことにホッとしています。「板倉町は何十年も前から低地であることを承知していたはず。ここに来て急に騒いでいる感があるが、これまで一体何をやってきたのか」との一町民の声をいただきました。町全体をジャッキで何メートルか上げられれば良いでしょうが、そんなことは不可能ですし、堤防をとてつもなく高く、強固なものにしたくても、国の了解がなければできません。町ができることは、ここ10年における地球的環境変化、温暖化による激甚災害の数と質量の大型化に対する備えのレベルを上げ、国の指針に沿った強靭化を実現できるよう努力することだけです。1,000年に一度の想像を絶する大水害に備えよという国の大号令のもと、町としてできることから取り組んでいます。一人の命も失わないためにはどうすべきか。避難所収容量が不足している自治体は、自治体を超えた広域避難所の確保を考えろというのが国の指針ですが、これを実現するのは口で言うほど簡単ではありません。幸いにも町内に高台地が2か所あったことから思い切って発想を変え、自力で町民が自分の命を守るため、原則不可としていた車での避難を前提とする洪水時緊急避難場所としての駐車場整備を進めたわけであります。現在、その工事は完了に至りつつあり、避難場所としての利用方法や使用手順を担当係と検討委員会で進めているところです。

また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業界に対する手当として、国からの新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が本年も数回にわたって交付され、その度に対策の検討と決定を繰り返し、先の町内で使える町民一人あたり3,000円の燃料購入券配布の後、現在12月10日までに交付予定となっている町民一人あたり3,000円の板倉町商工会商品券や、油類最大使用15万円以上の農家に対して1リットルあたり3円の農業者燃料価格等高騰対策支援助成金の受付も始まっています。申請手続きを経ての交付となりますが、期間内に計画どおり進んでいくものと考えています。

一方、農業の状況は、米の収量が前年度より良好であり、価格も一般米で1,500円程度上昇していると聞きますが、生産費の高騰により厳しい状況が続いているようであります。施設キュウリも後半に来て、比較的安価傾向にある中で病虫害の発生に加え、重油価格の高騰等の要因もあるためか早期収穫打ち切り傾向にあるとの話もあり、肥料、農薬、油、農業機械、出荷経費等の高騰を考えると、引き続き農業の厳しさを感じるところであります。また、新しい話題として、町内進出企業グリーンパッケージによる施設イチゴ企業経営がありますが、イチゴの生育状況も計画通り順調に大面積栽培が勧められています。先日、もうすぐ出荷開始とのご報告をいただきました。この先、さらに経営拡大も計画されているようですので、厳しい農業環境の中ではありますが順調な経営と作物栽培に期待しています。

行政としてもこのような世界、国内状況の変化を予測して予算化した事業の執行、展開に真剣に取り組みながら会計年度の4分の3を経過いたしましたが、電気料をはじめとする事業経費の増加に対して11月1日から節電に取り組み、その他の経費削減にも努めています。ソフトまたはハード的、連続的、集団的、イベント的、慰安的、研修的、教育的事業の執行が相変わらず大きな影響を受けて円滑な事業展開に水を差す中で、国や県の指導を基とし、形を変えての実行もありますが、一応計画通りに進んでいます。今年も、次年度の予算編成時期に入っていますが、賃金上昇もない中での6月以降における急激な国内すべての生活関連物資価格の急激な上昇が、生活圧迫要因として騒がれています。行政においても次年度に予定したハード事業(修繕や新規等)その他すべての経費にエネルギー高騰による大きな上昇要因が見込まれることから、収入に対しての支出バランスが例年以上に大きな影響が出ることを予想しながら、慎重な予算編成作業を進めることになると考えています。大きないくつもの先行き不透明感の中であり、大激震の年になってしまった中での第4回定例会でありますが、議案を粛々と議論していただいたうえで、上程全議案をご承認いただきたくお願い申し上げます。これから新年度に向けて予算案の詰め、人事計画、職員教育、働き方改革、権利と義務、最も大事な町の課題への対処、具現化、行動等を検討する大詰めの3か月を迎えることになりますが、まずは今議会の議論、よろしくお願い申し上げあいさつといたします。

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