更新日:2025年9月3日
チクングニア熱とは
チクングニアウイルスによって引き起こされる蚊が媒介する感染症です。主にネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊によって媒介されます。アフリカ・南アジア・東南アジア・カリブ諸国などで流行しています。最近では、2025年7月に中華人民共和国(広東省仏山市)でのチクングニア熱患者の急増が確認されているため、注意が必要です。日本国内では、海外からの輸入症例が報告されており、国内での流行は確認されていませんが、主に媒介するヒトスジシマカが広く生息しているため注意が必要です。
症状
潜伏期間は通常2から12日(多くは3から7日)で、急激な発熱と関節痛(左右対称性が多い)、発疹が主症状です。関節痛は手首、足首、指、膝、肘、肩などに強く現れ、数週間から数か月続くことがあります。そのほか、頭痛、筋肉痛、全身倦怠感、リンパ節腫脹、悪心・嘔吐なども見られます。高齢者や基礎疾患を持つ人では、重症化することがあります。血液検査では白血球や血小板の減少が認められることがあります。
感染経路
感染は、チクングニアウイルスを保有する蚊(主にネッタイシマカやヒトスジシマカ)に刺されることで起こります。ヒトからヒトへの直接感染はなく、感染者の血液を吸った蚊が他の人を刺すことでウイルスが伝播します。
治療・受診
ウイルスに対する治療薬はありません。症状に応じた対症療法が行われます。デング熱と同様に、出血傾向をきたすことがあるためサリチル酸系の解熱・鎮痛剤を避け、アセトアミノフェンを服用します。水分補給や安静にすることが重要です。症状が出た場合は、早めに医療機関を受診し、渡航先や渡航期間、いつ蚊に刺されたかなどをお伝えください。
予防方法
予防は蚊に刺されないことです。流行地域では長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を避けることが推奨されます。虫よけ剤を適切に使用し、屋内では蚊取り器や網戸などを活用しましょう。蚊の繁殖源となるタイヤに溜まった水や雨ざらしの用具・容器・鉢植えの皿などの水を放置しないようにしましょう。特にヒトスジシマカは昼間に活動するため、日中の対策が必要です。
関連リンク
- チクングニア熱について(厚生労働省ホームページ)(外部サイトにリンクします)
- チクングニア熱(国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト)(外部サイトにリンクします)
- チクングニア熱(厚生労働省検疫所FORTHホームページ)(外部サイトにリンクします)
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